私が二十歳になった時、とても嬉しい誕生日プレゼントを母からもらいました。

それは、「真珠のネックレスとイヤリング」です。

二十歳の誕生日プレゼントをもらった瞬間

誕生日当日、私は友人たちに居酒屋でバースデイパーティを開いてもらい、夜遅くに帰宅しました。

すでに時計は次の日を指している時刻。

寝ている家族を起こさないように部屋に入り、母の顔も見ないまま、酔っていて何も覚えていないような状態で、すぐ熟睡してしまったのです。

翌朝目を覚ますと、ドレッサーの上に何やら四角い箱が置かれていました。

「なんだろう?」と、二日酔いの目をこすりながら、それを手に取りました。

少し古びた黒い箱を開けると、中に真珠のネックレスとイヤリングのセットがありました。

すぐに、「母からだ!」と分かりました。

キッチンに降りていくと、母は出勤してもういませんせんでした。

真珠のネックレスとイヤリングは大人の印

晴れて大人の仲間入りとなり、冠婚葬祭などの行事は、個人で出席する機会が多くなります。

その為、突然の行事があっても間に合うように、という意味合いでプレゼントしてくれたのでした。

それと同時に、私を、一人の大人の女性として見てくれたことが、なによりも嬉しかったことを覚えています。

母もまた母から譲り受けたネックレス

プレゼントの箱には、「大人になったあなたへ」のメッセージカードが。

母もまた母から譲り受けたネックレスだったと、書いてありました。

夕方、母が帰って来た時、思いっきり「ありがとう」の笑顔になったのを今でも忘れません。

そして、一日遅れの誕生会を、自宅で開いてくれました。

母の美味しい手料理と共に。