バレンタインって、けっこういろんな思い出があるもんです。

小学生のころはまったくもらえませんでした。

が、これが中学校になると、みんな異性というものを意識しはじめるんです。

私のバレンタインプレゼントとそのエピソード、実はそんな時期のことです。

私のバレンタインプレゼントとそのエピソード

先にも述べましたが、中学に入るとまわりのみんなは異性というものに興味を持ちはじめる。

男子生徒なら女子生徒に。

また女子生徒なら男子生徒に。

中には同性に興味を持っちゃった、なんてのもありますが。

まあ、普通は異性です。

中学二年のとき、同じクラスの女子生徒が気になっておりました。

授業中でも休憩時間でも、いつでも視線は彼女を追ってた。

彼女の名前をK子さんとしましょう。

K子さんのことを考えると、私は胸がドキドキしちゃって、実は夜も眠れないくらいだったんです。

当時、私にはO君という一番の親友がおりまして。

いつでもいっしょにいた。

O君は勉強もできて、スポーツも万能。

私とは正反対の生徒でした。

女子生徒からの人気もあった羨ましい存在でした。

O君とは小学校のときからの親友でしたから、いくらまわりから比較されようが、私はO君のそばを離れないでいた。

衝撃のバレンタインデーがやってきました

その年のバレンタインの日。

あまり冴えない私でしたが、このときチョコレートをもらえたんです。

しかも、K子さんから。

その日の放課後、下駄箱からクツを取り出そうとすると、K子さんが近づいてきて、「これ・・・」と言って手渡されました。

K子さんは慌てて駆けて行きました。

K子さんからいただいたチョコレートは、駄菓子屋さんなんかで売ってる百円くらいのアメリカのキャラクターを形どったものでした。

が、それを大切そうに包装し、かわいいリボンなんかもつけてありました。

私はつい有頂天になりました。

帰り道、O君にその話をしました。

返事は、「ああ、俺ももらったよ」と言って、鞄から雑に包装紙にくるまれた、かじりかけのチョコレートを出しました。

「これ、K子の手作りなんだってさ。
 だけど食ったらマズいんだよ。
 よかったら食わない?」

このとき、私は初めて義理チョコってものを知ったんです・・・。